肩関節
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筋腱疾患
広範囲腱板断裂に対するpartial repair法とLHBアンカーリング法の比較
畑 幸彦石垣 範雄松葉 友幸中村 恒一加藤 博之
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2015 年 39 巻 3 号 p. 703-707

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抄録
 広範囲腱板断裂に対するpartial repair法とLHBアンカーリング法の有用性と特徴を明らかにする目的で,partial repair法施行群58肩とLHBアンカーリング法施行群72肩について臨床評価と画像評価を行った.両群間に有意差はなく,術後2年のUCLA scoreは前者が32.1 ± 2.9,後者が32.6 ± 2.1で,患者満足度(5points)はP群が4.4 ± 0.7,L群が4.3 ± 0.7であり,MRI評価で再断裂を疑わせる症例はP群が24.4%,L群が17.5%であった.したがって両術式ともに良好な肩関節機能,高い患者満足度および良好なcuff integrity が得られる有用な術式であることが分かった.また各術式の経時的変化から,経過観察期間はpartial repair法では術後2年以内で十分であるが,LHBアンカーリング法では術後2年以上必要であると思われた.
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© 2015 日本肩関節学会
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