肩関節
Online ISSN : 1881-6363
Print ISSN : 0910-4461
ISSN-L : 0910-4461
筋腱疾患
腱板断裂修復術後における棘上筋筋萎縮の経時的変化
田中 誠人林田 賢治
著者情報
キーワード: 腱板断裂, 筋萎縮, 棘上筋
ジャーナル 認証あり

2015 年 39 巻 3 号 p. 716-719

詳細
抄録

 肩腱板断裂は腱板筋の筋萎縮を伴うことがあり,その筋萎縮が術後に回復するかどうかに関して定まった見解は得られていない.関節鏡下腱板修復術を施行し,術後再断裂を認めなかった131肩を対象とし,術前および術後1,3,6,12ヶ月のMRI斜位矢状断像Y-shaped viewにおいて,棘上筋の筋萎縮の指標となる占拠率の経時的変化を検討した.観察期間中変化を認めなかったものが,93例(71%)と大半であった.術直後の増加を認めたものが21例(16%),観察期間中を通して漸増したものが7例,観察期間中で減少したものが10例であった.術直後に増加を認めた21例のうち5例がその後も漸増,10例は増加後不変,6例は増加したのちに減少していった.棘上筋占拠率が経時的に増加していると考えられたものは,術直後に増加し,かつその後も増加した5例と,経過観察期間中に漸増した7例の計12例(9.2%)と少数であった.

著者関連情報
© 2015 日本肩関節学会
前の記事 次の記事
feedback
Top