肩関節
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筋腱疾患
70歳以上の腱板断裂性関節症症例に対する腱板再建術を併用した小径人工骨頭置換術の8年成績
吉岡 千佳末永 直樹大泉 尚美山根 慎太郎呉屋 五十八
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2019 年 43 巻 2 号 p. 497-500

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抄録

 小径人工骨頭置換術と腱板再建術を施行した70歳以上の腱板断裂性関節症(CTA)症例の8年以上経過した成績を調査した.対象は13例,平均年齢75.4歳で,広背筋・大円筋後方移行術3例,肩甲下筋腱部分移行術2例,大胸筋移行術,上腕二頭筋長頭腱移植を各1例に施行した.平均経過観察期間は106.9ヵ月だった.術前後JOAスコア,肩関節可動域,単純X線所見を調査した.合併症,再置換術はなかった.最終経過観察時平均JOAスコアは78.2点,平均屈曲角度は123°,平均外旋角度は20.5°だった.Glenoid wearを8例,このうち3例にglenoid erosionを認めた.Lucent lineを3例,骨吸収,骨頭上方化を7例に認めた.腱板再建術を伴う小径人工骨頭置換術は,術後8年で画像上の変化は高率に認められたが良好な肩関節機能が保たれており,高齢者のCTAに対しても有用な治療法と考えられる.

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© 2019 日本肩関節学会
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