抄録
鏡視下腱板断裂手術(以下ARCR)の術後疼痛に対して,関節周囲カクテルブロック(以下MI)と斜角筋間ブロック(以下ISB)を比較検討したので報告する.当院でARCRを施行した184 例を対象に,患者番号奇数にはMIを,偶数にはISBを施行した.MI群は手術終了時にレボブピバカイン,デキサメタゾンを含む薬液を関節周囲に混注し,ISB群はレボブピバカインをエコー下で注入した.術後48時間までのVASを記入し,記載不備のなかったMI群81名,ISB群103名を対象にVAS,初回鎮痛薬使用時間,使用量について検討した.結果,術後12時間までのVASはISB群が有意に低く,その後は有意差を認めなかった.初回鎮痛剤使用時間は有意差を認めたが,鎮痛薬の使用の有無,量について差は認めなかった.このことから,術直後の疼痛コントロールとして,MI単独使用はISBに効果としては及ばないことが分かった.