抄録
肩腱板断裂患者の夜間痛と肩深部体温の変化の関連について調査した.肩夜間痛あり群14例となし群14例を対象とし,疾患は肩腱板断裂26例,腱板断裂性肩関節症2例であった.手術前日の22時から6時まで肩深部体温を測定し,同時に腕時計型活動計も用い,夜間痛の発生時に増加する睡眠時体動回数を測定した.肩深部体温の患健側差(=患側-健側の肩深部体温)の推移と睡眠時体動回数を評価した.肩深部体温の患健側差は夜間痛あり群で平均0.53 ± 0.46℃であり,特に0時から4時で患健側差が大きくなった.一方,夜間痛なし群では-0.26 ± 0.45℃であった.睡眠時体動回数は肩深部体温の患健側差が増大する時間帯に一致して増加した.肩夜間痛を有する肩腱板断裂患者では,患側の夜間肩深部体温は健側より高く推移する傾向にあり,肩深部体温の上昇は夜間痛の一因である可能性が示唆された.