抄録
本研究の目的は腱板断裂患者の可動域に影響を与える因子を検討することである.当院で鏡視下腱板修復術を施行した22肩を対象とし,術前90° 以上自動屈曲可能な群をP群, 不可能な群をI群,健側を対照C群とした.表面マーカーを貼付し,三次元動作解析装置で肩関節運動時の胸郭の屈曲伸展角度・回旋角度・側方傾斜角度,肩甲骨の上下方回旋角度,上腕骨内外旋角度を計測した.同時に僧帽筋,棘下筋,三角筋,大胸筋,前鋸筋の筋活動も計測した.前方および肩甲骨面挙上においてI群はC群に比し有意に上腕骨外旋角度が小さかった.側方挙上時の胸郭回旋においてP群とC群の間に有意な差を認めた.筋電図では前方挙上においてP群に比し,I群で有意に僧帽筋・前鋸筋で活動が高かった.P群の胸郭回旋とI群の筋活動は代償動作と考えられた.腱板断裂患者において挙上が可能か否かに上腕骨外旋角度が影響している可能性が示唆された.