抄録
一次修復不能な後上方の大断裂に対する棘下筋回転移行術の短期治療成績を検討することを目的とした.対象は8例(男性5例,女性3例)で,年齢は平均68.4才,術後経過観察期間は平均14.5ヵ月であった.術前MRIでは棘上筋Goutallier分類stage 3-4,棘下筋1-4の後上方の大断裂であり肩甲下筋断裂の合併を4例に認めた.手術は安里らの方法に従い施行した.平均ROM(術前,術後)は屈曲が(93° ,162° ),外旋は(31° ,43° ),平均外旋筋力は術前3.0から3.7へそれぞれ有意に改善した.最終観察時の菅谷分類はType I 5例,Type II 1例,Type III 1例,Type V 1例であり再断裂率は12.5%であった.JOA scoreは術前平均54.9から術後86.9点へ,UCLA scoreは13.8から30.9点へそれぞれ有意に改善した.棘下筋回転移行術は一時修復不能な腱板断裂症例に対する手術法として有用と考えられた.