抄録
腱板断裂において層間剥離(delamination)とは断端が肉眼的に深層と浅層の二層に分かれていることと定義される.最近の基礎研究でdelaminationの深層は主に上方関節包であると考えられ,その重要性が認識されている.本研究ではdelaminationのある腱板断裂に対し各層ごとに修復を行い(layer specific repair)その結果を検証した.対象は腱板後上方断裂165例でそのうちdelaminationを認めたのは132例であった.術中に各層のmobilityを記録し再断裂を術後MRIにて評価した.術後再断裂を9例(6.8%)に認めた.浅層修復時のmobilityが再断裂に影響を及ぼす因子であったが深層のmobilityは有意な関連を認めなかった.腱板修復術において各層の修復位置や修復方向を適切に判断することが最も重要であると考えられた.