抄録
腱板広範囲断裂(Massive Rotator Cuff Tears: MRCT)の三角筋の筋活動について,コントロール群と年齢をマッチングし表面筋電図で検討した.対象は自動屈曲90° 以上可能なMRCT17名21肩(MRCT群: 年齢73.9 ± 4.8歳)および腱板損傷の無い高齢男性21例21肩(健常群: 年齢78.0 ± 4.7歳)とした.測定筋は三角筋前部・中部・後部線維とした.測定は肩関節屈曲0° ,30° ,60° ,90° を各5秒間保持とし,得られた筋電図データから筋活動比率(R-muscle値)を算出した.
MRCT群のR-muscle値は0° -30° 間において三角筋全線維と30° -60° 間の三角筋後部線維で有意に高値(p < 0.01)であった.
肩関節自動屈曲可能なMRCT症例は屈曲早期において三角筋全線維の高い筋活動と,拮抗筋となる三角筋後部線維の持続的な活動が特徴的であった.