抄録
アンカー挿入位置の違いが鏡視下Bankart修復術(ABR)後の関節窩横径変化へ与える影響を調査した.外傷性肩前方不安定症に対しABRを単独で施行した200例211肩を対象とした.このうち,on the face anchoring(F群)143例151肩,on the edge anchoring(E群)57例60肩について,両群間で術前関節窩骨形態(normal, erosion, bony Bankart)別の関節窩横径減少率,及び術後1年再発率を比較検討した.術後初回CT(6ヶ月未満)の横径減少率(F群vs E群)はnormal type(10.1% vs 8.9%,p=0.92)に対し,erosion type(6.6% vs 2.1%,p=0.02)とbony Bankart type(6.6% vs -2.7%,p < .0001)で,有意にE群の減少率が小さかった.術後2回目CT(術後6ヶ月以降1年未満)を施行し得た92肩(F群64肩,E群28肩)では,normal type(6.5% vs 8.7%,p=0.48),erosion type(3.4% vs 1.6%,p=0.31),bony Bankart type(2.9% vs -1.9%,p=0.20)といずれも両群間に有意差は認めなかった.術後再発率はF群11.9%,E群10.0%であった.on the edge anchoring法は術前関節窩骨欠損を有する症例において術後早期の関節窩前縁骨吸収を軽減し,かつ術後再発に影響を与えなかった.