抄録
我々は一次修復困難な腱板断裂に対し,大腿筋膜を用いた鏡視下上方関節包再建術(以下ASCR)を行っている.今回術後2年以上経過観察可能であった49症例の臨床成績について検討した.検討項目として術前後のJOAスコア,UCLAスコア,自動挙上角度,下垂外旋内旋角度,筋力(MMT),AHD(肩峰骨頭間距離),術後のgraft integrityは,長谷川らの分類による5段階評価を行った.偽性麻痺肩の有無による群間比較も行なった.また術前の仕事復帰までの期間を調べた.JOAスコア,UCLAスコア,関節可動域,筋力,AHDすべて改善がみられた.MRI上術後2年でのグラフト断裂は49例中5例10%に見られた.偽性麻痺肩の有無による臨床成績に差はなかった.術前の仕事復帰率は93%であった.術後2年のASCRの臨床成績は良好であり,一次修復不能な腱板断裂に有効な術式であると思われた.