抄録
【はじめに】Pulley 損傷による関節内前上方でのanterosuperior impingement(ASI)は疼痛が強く,保存療法が奏功しないにも関わらず,診断が困難である.今回,鏡視下手術を施行した症例の臨床所見,関節鏡所見,臨床成績につき検討したので報告する.
【対象と方法】対象はASIと診断し鏡視下手術を施行した7例7肩(手術時平均年齢33.9 ± 14.4(SD) 歳,経過観察期間15カ月から24カ月(平均19カ月))を対象とした.
【結果】全てに屈曲内旋位での著明な肩前方部痛を呈していた.術中動態鏡視においては全例で,屈曲内旋位でのpulley損傷部と前上方関節窩の衝突現象を認めた.吸収性アンカーを用いたpulley修復を主に施行した.術後はJOA score,ASES scoreともに有意に改善し経過良好である.
【考察】外傷性ASIが疑われた場合は,保存療法に抵抗性であり,診断を慎重に行い,手術が考慮されるべきである.