2025 年 49 巻 1 号 p. 10-13
本研究の目的は, 鏡視下腱板修復術(以下ARCR)後のMRIにおける下関節上腕靱帯(以下IGHL)の信号値および術前後の信号値の変化と肩関節拘縮の関連を明らかにすることである. 2022年6月から2023年7月までの期間に, 当院にてARCRを施行された23例24肩(男性4例, 女性19例, 右13肩, 左11肩, 手術時平均年齢65.4歳)を対象とした. MRI評価では, 関節窩中央もしくはその1スライス後方のプロトン密度強調斜位冠状断像において, 視認されるIGHL全体を関心領域として算出される平均値をIGHLの信号値とした. 同様にLHBの信号値を調査し, IGHLとLHBの信号値の比(signal intensity ratio, 以下SIR)を算出した. 術後3ヵ月における可動域をもとに全対象を非拘縮群(16肩)と拘縮群(8肩)の二群に分けた. 二群間で術後SIRに有意差を認めなかったが, 術前後におけるSIRの変化量に有意差を認めた. 手術侵襲がIGHLに炎症性変化を惹起し, その結果として術後の肩関節拘縮が生じている可能性が示唆された.