2025 年 49 巻 2 号 p. 413-417
80歳以上の超高齢者に対する鏡視下腱板修復術(以下ARCR)の術後再断裂リスク因子の検討と80歳未満の高齢者と比較した再断裂率,再断裂リスク因子の検討を行った.超高齢者群の対象は80歳以上で,当院でARCRを施行した症例とした.高齢者群は80歳未満で,超高齢者群と性別,左右,断裂サイズ,手術施行時期を超高齢者群とマッチングした症例とした.術後1年以上の経過観察を行い,MRIでSugaya分類 type,4,5を術後再断裂あり群とした.評価項目は性別,左右,術前可動域(自動前方挙上,自動下垂位外旋,自動結帯),術前臨床スコア(JOA score),断裂サイズ,肩甲下筋断裂の有無,腱板筋の脂肪含有率(IDEAL法),修復方法,delaminationの有無,術後自動可動域,術後臨床スコアとした.さらに超高齢者群と高齢者群と比較して再断裂率,再断裂リスク因子を検討した.超高齢者群は93例(男性34例,女性59例)が組入れとなり,再断裂あり群は18例(19.4%)であった.再断裂あり群では再断裂なし群と比較して,有意に術前MRIでの棘上筋・肩甲下筋の脂肪含有率が高く(p=0.01, 0.0002),delaminationが多く(p=0.03),術後自動可動域で前方挙上が良好であった(p=0.04).高齢者群は93例(男性34例,女性59例)が組入れとなり,平均年齢は65±1.0歳,再断裂率は8.6%であり,超高齢者群と比較して有意に低かった(p=0.02).超高齢者の再断裂あり群は高齢者の再断裂あり群と比較して肩甲下筋の脂肪含有率が高く(p=0.01),術後1年の自動可動域で前方挙上,結帯が良好であった(p=0.03, p=0.02).高齢者の再断裂リスクは肩甲下筋の脂肪含有率が高いこと,術後の自動可動域が良好であることであった.再断裂予防には慎重な後療法が望ましいと考えられた.