肩関節
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変性疾患
変形性肩関節症に対する解剖学的人工肩関節置換術とリバース型人工肩関節置換術の機能成績とリハビリテーション
川上 基好柏木 孝介岩橋 幸紀浦 雄大三宅 稜出口 剛士中根 康博
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2025 年 49 巻 2 号 p. 442-446

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抄録

変形性肩関節症に対する解剖学的人工肩関節置換術(TSA)とリバース型人工肩関節置換術(RSA)の機能成績とリハビリテーションの違いを比較検討した. 対象はTSAまたはRSAを施行し, 術後12ヶ月経過観察可能であった49例56肩とした. 術後リハビリテーションはTSAでは修復した肩甲下筋への考慮と関節の求心位に注意する必要があるため, 装具固定期間をTSAは4週間, RSAは2週間とTSAでは長くし, 自動運動もTSAは開始時期を遅くらせて実施した. 評価項目は術前, 術後3, 6, 9, 12ヶ月の自動可動域推移(屈曲, 下垂位外旋, 結帯),術前, 術後12ヶ月のConstant Score, 平均リハビリ期間とした. 可動域推移では, TSAとRSA共に屈曲, 外旋, 結帯は術後6ヶ月までに改善した. 両術式で差を認めたのは下垂位外旋のみで, 術前から術後12ヶ月まで常にTSAがRSAより高値を示した. Constant ScoreはTSAが術前42±6.0点から術後12ヶ月で72.8±12.4点, RSAが術前37.5±12.0点から術後67.3±8.8点と, 両術式とも有意な改善を認め, TSAがRSAより高値を示した. 平均リハビリ期間はTSAが10.2±2.1ヶ月, RSAが6.2±3.9ヶ月で, RSAがTSAより短かった. 以上の結果より変形性肩関節症に対して両術式とも良好な機能成績であった. TSAはRSAに比べ術後12ヶ月で下垂位外旋可動域が大きく, Constant Scoreが高いことがわかった. しかしながら, 修復した肩甲下筋に配慮し, 求心位に注意するためRSAよりリハビリ期間を要することがわかった.

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