肩関節
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症例報告
陳旧性肩関節後方脱臼に対する鏡視下reverse remplissage法を用いた1例
藤木 貴顕中根 康博出口 剛士三宅 稜
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2025 年 49 巻 2 号 p. 521-526

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抄録

肩関節後方脱臼は稀であり,初診時の見落としが多いとされる.陳旧性脱臼とは,3週間以上脱臼した状態と定義され治療に難渋する場合もある.今回陳旧性肩関節後方脱臼の一例を経験したので報告する.症例は73歳女性で,転倒により左肩を受傷し,受傷3か月後に当院を受診した.下垂位外旋は-20°と高度に制限されていた.画像検査で後方脱臼およびreverse Hill-Sachs Lesionを認めた.徒手整復は可能だが整復位を保持できず手術療法を行った.手術は全身麻酔,ビーチチェア位で鏡視下reverse remplissage法を施行した.肩甲下筋腱を骨欠損部に充填するようにsuture-bridging法で固定し,肩甲上腕関節をK-wireで仮固定した.K-wireは術後3週で抜去した.術後1年で再脱臼なく,JOAスコアは100点(術前30点)であった.諸家の報告では脱臼期間が6か月以内,上腕骨頭の骨欠損が50%以内であれば関節機能の温存が可能とされ,様々な再建方法が報告されている.今回行った鏡視下で行う本手術法は侵襲が少なく良好な成績を得られると考えた.

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