抄録
歯科においての麻酔学の役割のひとつに口腔顔面痛外来がある。口腔顔面痛は口腔顔面領域の慢性疼痛で、その成因を歯科だけに求めることができない。しばしば患者の痛みには関連臓器の疾患が潜んでおり、時には心理社会的因子からの痛みも紛れている。幅広い知識と技術が求められる。したがって歯科領域の慢性疼痛部門というよりも、慢性疼痛診療の歯科部門としての立場を求められている。
現在、国内外では痛み研究が著しく展開している。痛み研究において歯科麻酔科は重要な役割を担っている。歯科麻酔科医は全身麻酔による全身状態の観察に精通しているためと考えられる。歯科麻酔科医の意味を口腔顔面痛を通じて考察する。