抄録
慶應義塾ミュージアム・コモンズでは、大学のコレクションに対する人々のエンゲージメントを多様化するこ とを目的として、来場者や大学を取り巻くコミュニティのさまざまな関わりを招く参加型展覧会の設計と実践 を行っている。 本研究ノートでは、ミュージアムと参加に関する議論、 シチズン・サイエンスやパブリック・ヒューマニティーズ をめぐる国内における課題を参照しつつ、2023年3月の展覧会「構築される『遺跡』」展における参加のありかたを分析する。そして、多様な参加のモダリティを可視化しえる展覧会が、文化・学術活動への参加を多くの人に開いていくための有効な場として機能することを述べる。