日本健康教育学会誌
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Broad Autism Phenotypeの状況の高い女子看護系大学生の社会的スキル,コミュニケーション・スキルの向上のための教育プログラムの構築
川村 晃右 松本 賢哉森岡 郁晴
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2024 年 32 巻 2 号 p. 72-83

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抄録

目的:Broad Autism Phenotype(BAP)の程度が高い人は,対人関係で困難を抱えることが多い.本研究では,BAPの程度に応じた社会的スキル,コミュニケーション・スキルの向上のための教育プログラムを構築することを目的とした.

方法:前後比較デザインで実施した.4週間の教育プログラムは,Social skills trainingのプロセスを参考に,こころかるた,ジェスチャーゲーム,物語の完成,参加者同士の自己開示で構築した.2大学の看護系学部の学生の1, 2年生で,22人を対象とした.教育プログラムの前後にBroad Autism Phenotype Questionnaire日本語版(BAPQ-J),Kikuchi’s social scale-18項目版(KiSS-18),ENDCOREsの質問紙調査を行った.対象者をBAPの程度で区分するために,BAPQ-Jの全体尺度の平均点を用いて2群に分けた.群ごとにプログラム前後のKiSS-18, ENDCOREsを比較した.

結果:教育プログラム後にBAPの程度が低い群で,攻撃に代わるスキル,他者受容が,BAPの程度が高い群でKiSS-18の全体尺度,攻撃に代わるスキル,表現力,自己主張が有意に上昇した.

結論:本研究で構築した教育プログラムはBAPの程度が低い者でも社会的スキルとコミュニケーション・スキルが向上し,高い者ではより顕著に向上させる可能性が示唆された.

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