日本健康教育学会誌
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実践報告
中学生の調理スキルと調理に対する自信を高める調理動画を用いた非対面式プログラムの実施可能性の検討
小濵 穂佳川村 舞華重政 優杉本 万波呂杉本 真依子坂本 達昭
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2024 年 32 巻 4 号 p. 274-281

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抄録

目的:中学生の調理スキルと調理に対する自信を高めることをねらいとした調理動画を用いた非対面式プログラムの実施可能性を検討すること.

活動内容:研究デザインは,前後比較デザインとした.中学1~2年生(26名)を対象として,夏休み期間に全5回(週1回)のプログラムを実施した.プログラムの特徴は,対面で調理を指導するのではなく,参加者が調理動画を視聴し,それぞれが自宅で調理を行うことである.調理操作は,包丁で食材を切る,炒める,煮る等を扱った.各回,参加者に食材を無料で提供した.各回の調理終了後に,参加者に振り返りシートを提出させた後,研究実施者から参加者にメッセージを送った.プロセス評価として,各回終了後に難易度や楽しさ等をたずねた.影響評価としては,プログラム参加前後の調理スキル,調理に対する自信の変化を評価した.

活動評価:参加者の調理の取組み回数は,全5回22名,4回3名,3回1名であった.プロセス評価の結果は,概ね良好であった.調理スキルの平均値(標準偏差)は,プログラム参加前3.3(1.0)から参加後4.4(0.9)にかけて有意に向上し(P<0.001),調理に対する自信も参加前17.5(6.1)から参加後21.9(3.9)にかけて有意に向上した(P<0.001).

結論:本プログラムは実施可能であることが確認された.プログラムの効果は,対照群を設けた検証が必要である.

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