2012 年 2012 巻 63 号 p. 218-222
ヒメボクトウ幼虫に対する天敵線虫殺虫剤(スタイナーネマ・カーポカプサエ剤)の改良樹幹注入処理法を考案し,2010 年秋期と2011 年初夏期および秋期に,本種の発生がみられる現地ニホンナシ園にて防除効果を検討した.幼虫が寄生している枝に人工的な直線状穿孔を作成し,シリンジを用いて薬液を注入した(以降改良樹幹注入処理と略)ところ,2010 年,2011 年とも秋期処理で高い防除効果が得られたが,2011年の初夏期処理では効果が劣った.これは幼虫の発育ステージの差に基づくものであると予想されるが,今後も検証が必要と考えられた.また本種の加害を本剤のみで制御するのは困難と考えられ,他の剤と組み合わせた総合的な防除法を構築する必要がある.