2014 年 2014 巻 65 号 p. 146-150
無作為に抽出した北海道北部のアズキ圃場の20%でダイズシストセンチュウ(SCN)の発生が認められた.SCN 発生圃場におけるシスト指数と根粒着生指数との間に有意(P<0.001)な負の相関が認められた.また,SCN 発生圃場では減収が生じており,寄主作物の作付けが平均2.4 作/5 年と多かった.オキサミル粒剤30㎏/10a 播種前全面土壌混和処理の防除効果が高く,子実重は無処理と比較して8~41%増加した.ポット試験では,播種時のSCN 密度が乾燥土壌1g あたり10 卵・幼虫未満の場合,オキサミル粒剤を施用しても,子実重は無施用と比較して有意差が無く,同密度水準では殺線虫剤の施用は不要であると考えられたが,同20~350 卵・幼虫/g 乾土では,オキサミル粒剤施用により子実重は有意に(P<0.05)増加した.ホスチアゼート粒剤20㎏/10a 同処理は,オキサミル粒剤と比較して同等からやや劣る効果であった.