2018 年 2018 巻 69 号 p. 140-145
岩手県の施設栽培トマトで問題となる,ヒラズハナアザミウマおよびミカンキイロアザミウマに対する目合い0.8 mm赤色防虫ネットの侵入抑制効果について検討した.その結果,アザミウマ類の発生量が時期別,年次別に大きく変動する状況下においても,赤色防虫ネットが両種に対して常に高い侵入抑制効果を発揮することが明らかとなった.また,同じく現地で発生のみられたオンシツコナジラミに対しても一定の侵入抑制効果が認められた.さらに,本資材を導入した場合,アブラムシ類やチョウ目害虫の施設内への侵入量も大幅に抑制することが示されたことから,赤色防虫ネットが本県施設トマト栽培における有効な物理的防除手段の1つになると考えられる.