2018 年 2018 巻 69 号 p. 146-153
2014年以降,岩手県内のキャベツ圃場から採集されたコナガ個体群について,ジアミド系薬剤に対する感受性の低下が報告されている.2017年も引き続き,県内のキャベツ圃場から採集したコナガ個体群に対して,葉片浸漬法による薬剤感受性検定を実施した.その結果,実用濃度のクロラントラニリプロール水和剤およびフルベンジアミド水和剤に対する処理48時間後の補正死虫率がそれぞれ63.3%,80%となった.今後も引き続きジアミド抵抗性コナガの飛来が想定されるため,このような状況下における有効な薬剤を把握する目的で6種類のセルトレイ灌注処理剤の防除効果について検討した.その結果,シアントラニリプロール水和剤とイミダクロプリド・スピノサド水和剤について,コナガに対する高い防除効果が認められた.また,クロラントラニリプロール水和剤よりも,同一成分を含んだ混合剤であるクロラントラニリプロール・チアメトキサム水和剤の方が,コナガに対する防除効果が高い傾向が見られた.