北日本病害虫研究会報
Online ISSN : 2185-4114
Print ISSN : 0368-623X
ISSN-L : 0368-623X
報文
圃場対策および育苗対策の組み合わせによるキャベツ根こぶ病の防除
岩舘 康哉 千田 裕岡本 淳千葉 満男
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 2019 巻 70 号 p. 49-52

詳細
抄録

アブラナ科野菜根こぶ病の防除対策として,フルスルファミド粉剤等の土壌混和殺菌剤の処理や,転炉スラグ施用による土壌pH改良(目標pH 7.5)が有効とされるが,本病多発圃場においては,これらの単独処理では被害軽減効果が不十分な場合がある.そこで,キャベツ根こぶ病多発圃場において,圃場対策と育苗対策の組み合わせによる相乗効果を検討した.その結果,圃場への転炉スラグ処理(目標pH 7.5)に加えて,転炉スラグの育苗土処理(目標pH 7.5)や,シアゾファミド水和剤のセルトレイ灌注処理を組み合わせた場合のほか,圃場へのフルスルファミド粉剤処理とシアゾファミド水和剤のセルトレイ灌注処理を組み合わせた場合に被害軽減効果が高く,収穫率の向上につながると考えられた.以上から,アブラナ科野菜根こぶ病多発圃場においては,実施可能な圃場対策と育苗対策をそれぞれ選択し,組み合わせて利用することが有効と考えられた.

著者関連情報
© 2019 北日本病害虫研究会
前の記事 次の記事
feedback
Top