2019 年 67 巻 7 号 p. 254-260
不確かさを考慮する最適設計であるロバスト最適設計を多目的最適設計問題として定式化するとともに,その適用例を紹介する.多目的最適設計としては,不確かさをもつ設計パラメータのノミナル値(平均値)に対する設計指標と,設計パラメータの不確かさ(変動)による性能指標の低下量を,それぞれ別の目的関数に設定する.これにより,設計パラメータの不確かさが性能指標におよぼす影響をより明確に示すことができる.このことを,簡単な数値例を通して示す.次に,パレート解を正しく評価でき,かつ計算効率が高い手法として,満足化トレードオフ法による解法を示す.これは単一目的最適設計問題に帰着させる方法ではあるが,通常の加重和法と異なり,パレート面が非凸形状であってもパレート解を求めることができる.その適用例として,高精度宇宙リフレクタにおいて,副鏡調整機構の故障を考慮する設計問題を紹介する.