2023 年 71 巻 9 号 p. 247-249
二宮忠八(以下,忠八)は我が国の航空技術の先駆者である.飛行原理発見に至る思考過程を文書に残し,模型飛行機を製作して飛行実証を行ったという点で,忠八は航空技術史上において特別な存在だと言える.忠八考案の有人飛行機が実現することはなかったが,彼が作成した様々な技術資料や自作の模型飛行機が,忠八自身が創建した飛行神社や彼の故郷の八幡浜市の施設に保管されている.二宮忠八の動力飛行研究は当時の最先端を走るものであり.航空宇宙技術遺産の第一号認定に値する技術である.