2024 年 72 巻 6 号 p. 214-218
樹木類の宇宙利用を指向し,その最小構成単位であるセルロースナノファイバーのガンマ線耐性やアウトガス特性を明らかにするために,竹を原料に成分の異なる2種類のセルロースナノファイバー製フィルムを作製した.フィルムのガンマ線耐性は総線量300kGyまで照射した後に最大応力と弾性率を測ることで,アウトガス特性は質量損失比と揮発性凝縮物質比等を測定することで調べた.ガンマ線耐性について,2種類のセルロースナノファイバーは60kGyまでは引張最大応力と弾性率に大きな変化はなく,300kGyまで照射すると低下することを明らかにした.また,アウトガス測定から,植物の三大成分であるヘミセルロースとリグニンおよびそれら由来物がアウトガス源になり得ることを初めて見出し,植物の宇宙利用,特にアウトガスシール材の開発などに繋がる知見が得られた.