日本航空宇宙学会誌
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解説
航空機用バリアフリーラバトリーの提案
岸 祐希安岡 哲夫萩原 久也
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2025 年 73 巻 12 号 p. 396-402

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抄録

本稿ではJAXAとジャムコが研究開発しているバリアフリーラバトリーを紹介する.現行の航空機のバリアフリーラバトリーは車椅子利用者が介助者と利用することを想定しておらず,地上や鉄道のトイレと比べて十分なアクセシビリティがあるとは言い難い.提案する「メタモルフィック・ラバトリー」は,機内通路の空間を一時的に使うことで,座席数を減らすことなく空間を拡張できる.本拡張により介助スペースが便座周辺に生まれ,今までトイレ利用が困難だった全介助が必要な車椅子利用者であっても飛行中にトイレを利用できるようになる.さらに地上のバリアフリートイレに匹敵する設備や多目的空間の創出により,車椅子利用者のみならず乳幼児連れ,発達障害児,オストメイトといった多くの乗客のニーズに対応したユニバーサルなデザインとなっている.展示会出展やデザインアワード受賞を通して当該ラバトリーに対する共感の輪が広がり,社会から高い評価を得られた.

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© 2025 一般社団法人 日本航空宇宙学会
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