北関東医学
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症例報告
腹腔鏡下に切除した腸重積合併回腸脂肪腫の1例
榎本 剛史田村 孝史明石 義正久倉 勝治稲川 智大河内 信弘
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2013 年 63 巻 3 号 p. 243-247

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抄録

症例は52歳の女性. 半年前から右下腹部に鈍痛を自覚していた. 大腸内視鏡検査で, 上行結腸内に4 cm大の回腸粘膜下腫瘍が重積していた. 腹部CTでは上行結腸にtarget appearanceを認め, 先進部には4 cmの内部が均一な脂肪濃度を呈する円形な腫瘤を認めた. 以上から回腸脂肪腫による腸重積と診断, 腹腔鏡下回腸盲部切除術を施行した. 術中所見では, 回腸末端が上行結腸内に重積しており, 先進部には鶏卵状の腫瘤を認めた.
腸重積を発症した小腸脂肪腫に対し, 近年腹腔鏡下切除の報告例が増加している. 本疾患は術前診断が可能で, 腹腔鏡下結腸切除と同様の手技で手術ができるので, 腹腔鏡下手術の良い適応である.

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© 2013 北関東医学会
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