2019 年 69 巻 3 号 p. 243-248
症例1は76歳女性で,主訴は逆流症状と食思不振.胃癌に合併した食道裂孔ヘルニアで,ESD困難であり,幽門側胃切除,食道裂孔縫縮術を行った.症例2は78歳女性,主訴は嘔気嘔吐.胃体部の縦隔内への脱出を認め,通過障害に対し手術を行った.逆流症状を認めていなかったため噴門形成を行わず,食道裂孔縫縮術を行った.症例3は68歳女性で,主訴は継続的な嘔吐で,通過障害を認めた.逆流性食道炎の既往があり,噴門形成とメッシュを用いた食道裂孔縫縮術を行った.いずれの症例も胃の軸捻転を伴い胸腔内にほぼ全胃が陥入しており,比較的稀なupside down stomachを呈した食道裂孔ヘルニアに対しての手術を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する.