目 的:認知症を有する高齢者の増加に伴い,希少性を特徴とするALSの中にも認知症を併せ持つ療養者が増加している.ケアのあり方を検討するための基礎資料を得るため,認知症を併せ持つALS療養者の「生活支援」や「ケア」に焦点をあてた事例報告を収集し,事例の概要,支援上の困難,支援のための提言を整理した.
方 法:医学中央雑誌(Web版)を用いて,「筋萎縮性側索硬化症」と「認知症」のアンド検索を2000年から2022年までに限定して行い,該当文献14件から症例の詳細を質的分析し整理した.
結 果:文献14件の筆頭著者は看護師が6件で最多であったが,医師,リハビリ職を含めて4職種,病院の所属が11件であった.研究目的は,症状対応や,チーム・地域支援に関するものが多かった.支援上の困難は,5カテゴリが抽出され【認知症の症状や行動への対応困難】【ケア困難・負担の増大】が多かった.支援のための提言は4カテゴリが抽出され,【個別支援(具体的ケア方法)の工夫】と【支援態勢(体制)整備】が多く,多職種連携での対応が提言されていた.
結 論:認知症を併せもつALS患者の生活支援やケアに関する事例報告は,多様な職種による多様な視点で報告がされていた.支援困難は認知症の症状・行動への対応が多く,ケア困難・負担増大につながり,個別支援と地域支援における多職種アプローチの提言がされていた.