2025 年 75 巻 2 号 p. 157-161
症例は76歳,女性.処方薬1錠をPTPシートごと内服後,咽頭違和感および心窩部不快感を自覚し,救急搬送された.腹部CTで胃内にPTPが確認され,緊急内視鏡検査が予定されたが,CT撮影後に少量の嘔吐を認めた.緊急内視鏡検査ではPTPが発見されず,吐物を確認したところ,食物残渣中にPTPが発見された.内視鏡検査で消化管損傷は認められず,帰宅した.1週間後の再診では症状が消失しており,終診となった.
PTPは広く普及している包装形態であるが,高齢者を中心に誤飲例が後を絶たない.PTP誤飲では,鋭利な辺縁により多くは食道に停留し,内視鏡的摘出が必要となるが,嘔吐による排出が起こりうることを考慮すべきである.嘔吐が見られた場合は吐物を確認し,PTPを排出した場合でも消化管損傷に十分注意する必要がある.