抄録
症例;31歳, ブラジル人男性.主訴;右手のしびれ感から始まった右片麻痺, 左動眼神経麻痺.頭部MRIにて左中脳から視床にかけて3cm大の腫瘤を認めた.脳腫瘍を疑い, 脳生検を施行したが, 免疫染色にてトキソプラズマ脳炎と診断した.同時にHIV陽性と判明しトキソプラズマ脳炎で発症したAIDS患者と診断した.ピリメサミン, クリンダマイシン, スルファモノメトキシムの三者併用療法にて治療開始した.MRIにて腫瘤の著明な縮小効果が認められ, 意識レベルも改善したが神経症状は不変であった.ピリメサミン内服は継続したが, 発症から13ヶ月後に脳ヘルニアによると思われる全身痙攣と突然の呼吸停止のため死亡した.