北関東医学
Online ISSN : 1881-1191
Print ISSN : 1343-2826
ISSN-L : 1343-2826
地域保健法施行後の業務実態からみた市町村保健婦の役割と課題
大野 絢子佐藤 由美森 陽子吉田 亨矢島 まさえ
著者情報
ジャーナル フリー

2000 年 50 巻 2 号 p. 139-150

詳細
抄録
地域保健法施行に伴う役割変化から, 今後の市町村保健婦活動及び保健婦の資質向上の課題を探ることを目的とした.全国の市町村3,189ヶ所 (指定都市, 中核市, 政令市を除く) の保健婦主務者を対象に自記式質問紙調査を実施し, 2,208市町村から回答を得た (回収率69.2%).その結果, (1) 組織改正は950ヶ所 (43%) で行われ, 福祉との合併, 介護保険担当部門の新設等がされていた. (2) 保健事業では健康増進, 住民組織の育成と支援等が今後の重点事項となっていた. (3) 保健所の広域的な調整機能に対する要望が多かった.今後の課題として (1) 他部門との連携の強化, (2) 介護保険や市町村独自事業を視野に入れた現行事業の整理・効率化, (3) 業務評価の拡充があげられた.また, 保健婦の初任者, 中堅者, 主務者の段階に応じて求められる資質が明らかになり, 特に主務者の「施策に結びつく活動ができる能力」, 「まちづくり計画等の策定に参画する能力」強化の必要性が示唆された.
著者関連情報
© 北関東医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top