2017 年 35 巻 p. 17-24
要 旨
本研究の目的は高齢者の居場所に関する先行研究を調査し、高齢者が居場所を持つための支援の検討に必要な基礎資料を得ることである。①居場所/高齢者をキーワードとして精選した9文献を分析対象としたが、それらの研究調査対象は少人数の事例研究が大半であった。②居場所/尺度をキーワードとして得られた研究14文献を分析対象としたが、対象者は中学生から大学生が中心で、高齢者の居場所について尺度を使用したものはなかった。これらのことから、高齢者が施設利用する際には、支援者が居場所をキーワードにした支援実践の共通認識を持つケアの向上が求められており、今後、高齢者にとっての居場所の構成要素や居場所の条件などを明らかにし、高齢者にとっての居場所尺度を開発する必要性が確認できた。