2017 年 2017 巻 64 号 p. 30-32
栃木県内の施設キュウリほ場およびブドウ園地で発生したべと病菌について,チトクロームb遺伝子のPCR-RFLP解析を行った結果,キュウリでは31検体中29検体(93.5%),ブドウでは26検体すべて(100%)が QoI剤耐性を示す遺伝子型G143Aであった。また,該当菌株が認められたほ場の過去3年間の薬剤散布履歴を確認すると,キュウリでは,QoI剤は使用していないか,1作1,2回の使用で,ブドウでは1年に1,2回の使用であり,どちらも使用頻度は高くなかった。今回の調査から,栃木県の施設キュウリほ場およびブドウ園地の多くで,ベと病には QoI剤の防除効果が期待できないと考えられた。