2018 年 2018 巻 65 号 p. 39-43
千葉県のニンジン産地では,近年しみ症が多発し問題となっている。しみ症を呈した部位からは,Pythium属菌やFusarium属菌等複数種の菌が分離された。そこで病原菌の発生実態を簡易に推定するため,しみ症の原因菌として報告のある菌のうち,本県産地で検出頻度が高いFusarium solani,F. oxysporum,Pythium sulcatumを1回のPCRで検出可能なマルチプレックスPCRを開発した。本マルチプレックスPCRを用いてしみ症を呈したニンジンから菌の検出を試みたところ,培地で分離し観察した結果と概ね一致した。