2018 年 2018 巻 65 号 p. 44-46
千葉県の秋冬どりニンジン産地では,ニンジンしみ腐病が主な原因であるしみ症が問題となっており,生産現場ではその発生が少ない品種を選択する必要がある。しかし,近年その品種間差異を調べた事例はない。そこで,2016年と2017年に千葉県農林総合研究センター内のしみ腐病が優占する圃場で10品種を供試し,しみ症発生の品種間差異を調査した。その結果,いずれの品種でも発生が認められ,その中でも2か年ともに「ベーター441」で最も発生が少なく,「ひとみ五寸」で多い傾向であった。しみ症部位の半数からしみ腐病菌が分離され,これらの品種間差異は,主にしみ腐病に対する感受性の違いによるものと考えられた。