2021 年 68 巻 1 号 p. 17-23
植物の葉や果実に斑点性病害を引き起こす種を多く含む Phyllosticta 属を中心とした MAFF 菌株について,分子系統解析及び形態的調査を通じて分類学的位置付けを評価した。ITS 及び Actin バーコード遺伝子領域を用いて,分子系統樹を作成したところ,ツタ属,カンキツ類,スギ属,マキ属,ツツジ科,カエデ属及びマンサク属から分離された菌株は,高いブートストラップ確率で支持される単系統を形成した。また P. citrichinensis と同一クレードに含まれた,カンキツ類由来の 2 菌株の分生子の形態は,原記載とほぼ一致した。未だ所属の推定に至っていない菌株が多くあるものの,一部の種についてはその同定・診断にあたって当該バーコード遺伝子領域の情報が有効であると考えられた。