関東東山病害虫研究会報
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イネ・ムギの虫害
イネカメムシの加害による水稲不稔の発生について
平江 雅宏
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2021 年 68 巻 1 号 p. 24-26

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抄録

イネカメムシの加害による水稲の不稔被害の発生の有無を明らかにするため,1/5,000 a ワグネルポットに栽培 した水稲の出穂期に本種成虫を 14 日間放飼し,成熟後の穂を収穫して不稔発生程度を調査した。その結果,イネカメムシ成虫を放飼しなかった区で不稔籾の発生が 22.7%認められたものの,株当たり 2 頭放飼区で 34.6%,4 頭放飼区で 45.6%,8 頭放飼区で 79.4%とイネカメムシ成虫の放飼密度が高まるにつれて不稔籾率は増加した。このことから,出穂期にイネカメムシ成虫に水稲が吸汁加害されることにより不稔被害が発生し,水稲の減収要因となる可能性が示された。

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© 2021 関東東山病害虫研究会
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