杏林医学会雑誌
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特集『医学部基礎医学教室の最前線〜第1回 肉眼解剖学教室』
『医学部基礎医学教室の最前線〜肉眼解剖学教室』PartⅡ.解剖学教育と学生のリサーチマインド育成
長瀬 美樹
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2022 年 53 巻 4 号 p. 139-145

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抄録

肉眼解剖学は,これから医学の勉強を始めようという学生が講義と実習を通して医学の根幹となる人体の構造と仕組みを修得するための教科で,良医になるための重要な第一歩である。当教室では各教員がアイディアを出し合って医学生に最良の教育指導ができるよう,また学生のモチベーションを高められるよう,さまざまな試みを行っている。人体の複雑な3次元構造の理解を促すために,ペーパークラフト模型や模式図の描き方の動画,CT・MRIの連続断層動画を用意したり,知識の定着のために,確認テスト,記憶定着を促すアプリを用いた解剖学用語英単語や医用画像の課題などを配信している。また,臨床各科と連携して,臨床につながる特別講義・特別実習を導入した。成績優秀者・優秀班の表彰も行っている。リサーチマインド育成には,希望する学生に対して放課後や休み期間に研究指導し,日本解剖学会の学生セッションでの発表を目指してもらっている。本稿ではこうした取り組みについて紹介する。

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