九州理学療法士学術大会誌
Online ISSN : 2434-3889
九州理学療法士学術大会2021
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平戸市の住民主体による通いの場へのリハビリテーション専門職の関わりについて
*豊住 寿明
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p. 10

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抄録

【目的】

平戸市では、平成26 年度から介護予防推進事業である「住民主体による通いの場」(以下、通いの場)に取り組んでいる。その通いの場にリハビリテーション専門職(以下、リハ専門職)が支援をしている。これまでの支援内容を分析し、リハ専門職の役割について考察したので報告する。

【結果・考察】

通いの場は、従来の受け身型の介護予防教室ではなく、地域住民が主体となって、介護予防を取り組めるような通いの場で、現在( 令和3 年5 月13 日時点)、平戸市では81 カ所で開催されており、各地区週に1回以上活動を行っている。リハ専門職の派遣調整依頼は、まず平戸市地域包括支援センターより県北地域リハビリテーション広域支援センターへ派遣の依頼があり、広域支援センターが平戸市内の医療機関等に所属のリハ専門職と連絡調整を行い、その日に支援が可能なリハ専門職が派遣され、その地域の課題や要望に応じている。今回は平成30 年10 月から令和2 年2 月までに関わった通いの場16 カ所で行っていた支援内容をまとめた。支援は地域包括支援センターの職員と生活支援コーディネーターと共に行っている。依頼された要望としては運動指導が多く、準備運動、筋力運動、整理運動の基本的な運動の方法のアドバイスを行っていた。通いの場に来られる方には、脳梗塞後遺症の方や大腿骨頚部骨折術後の方、下肢切断の方が参加しており、その人の状態に応じた個別の運動指導や生活面での助言等も行っていた。手軽なホームエクササイズの紹介、転倒しないための環境設定についての資料配付と説明なども行っていた。支援をした通いの場では、体操に加えて笑いヨガ・呼吸法を取り入れたり、参加者同士での旅行を計画したりするなど地域ごとに工夫がされていた。

【まとめ】

通いの場におけるリハ専門職の関わりは、運動指導に加え、個々人の生活の評価・情報収集を行い、必要に応じては自宅訪問や福祉用具・環境調整などを包括支援センターの職員や生活支援コーディネーター等と協同で支援をしていた。今後も地域住民の要望や地域の課題への対応を続けていきたい。

【倫理的配慮,説明と同意】

本研究の計画立案に際し,事前に研究協力施設の倫理審査員会の承認を得た。 また研究の実施に際し,対象者に研究について十分な説明を行い,同意を得た。

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© 2021 公益社団法人 日本理学療法士協会 九州ブロック会
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