2017 年 13 巻 2 号 p. 126-133
建物のLCAについては日本建築学会で検討され、その環境負荷原単位データベースの整備も継続的に行われ建物LCAソフトウエアと付随するデータベースが公開されている。本稿ではとくに住宅に注目して建築学会のLCA手法と環境負荷データベースについて紹介する。この環境負荷データベースは主として産業連関表基本表をもとに推計したものであり、LCA全般に応用できる。設計科学における客観的分析と主観的判断の適切な接合により、環境的に望ましい住宅の実現に寄与する実践的なLCA手法についても言及した。また社会的LCAへの拡張と、Hot Spots分析による重点項目への集中についても少し触れた。