日本LCA学会誌
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解説
持続可能な観光に関する政策動向とLCA研究の方向性
北村 祐介柴原 尚希稲葉 敦
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2021 年 17 巻 1 号 p. 8-15

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抄録

国連世界観光機関(UNWTO)は、多くの人が移動する観光は地球温暖化などの気候変動に影響する重要な問題であると警鐘を鳴らしている。観光とライフサイクルアセスメント(LCA)研究では、旅行パッケージ、移動、宿泊、飲食、産業に起因する温室効果ガス(GHG)をカーボンフットプリント(CFP)で評価している。一方、近年社会的に注目されている持続可能な開発目標(SDGs)の目標およびターゲットには、明確に観光を対象としている項目がある。また、日本でも日本版持続可能な観光ガイドライン(JSTS-D)が発行された。現在、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)による深刻な影響が続いており、日本の産業は観光業を含めて大きな転換を迫られているが、同時に、COVID-19 からのリカバリーを起点として、持続可能な観光への大きな転換のチャンスを迎えていると考えることができる。観光に関連する事業者、業界団体、研究組織、大学などが一体となって持続可能性に向けた取り組みを実施することが必要とされている。

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