2022 年 18 巻 1 号 p. 11-20
バイオマスからの化学品製造は、偏在する枯渇性資源である化石資源から、遍在しうる再生可能資源であるバイオマスに化学品原料を代替していくことであり、持続的な化学品生産を可能としうるだけでなく、バイオエコノミーの実現にも貢献しうるものである。ただし、ライフサイクル全体における帰結的な分析が不可欠であり、持続可能な農林業を実現していくために機能することが求められる。本論文では、最新の研究動向をレビューしつつ、各ライフサイクルステージにおける評価の観点を整理し、バイオマスプラスチックの役割と挑戦をライフサイクル思考に基づき考察する。