マクロ・カウンセリング研究
Online ISSN : 2434-3226
Print ISSN : 1347-3638
原著論文
本邦の「がん」と「自殺」の研究の動向
―2007年前後の変化に着目して―
石田 航原 直輝いとう たけひこ
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2023 年 16 巻 p. 56-64

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抄録
本研究の目的は,テキストマイニングを用いて日本における「がん」と「自殺」に関する研究動向を明らかにすることである。対象は,医中誌WEBに掲載された「がん」と「自殺」をテーマとする雑誌記事(1978-2022年)である。分析はText Mining Studio 6.3.0を用いた。分析手法は,基本統計量と発行年推移,単語頻度分析,特徴語分析であった。分析は2 群(2007 年以前と2008 年以降)に分けて行った。2007 年以前は,がん細胞や遺伝子における自殺に関する研究が多かったが(p < .001),2008年以降はがん患者における自殺に関する研究が多かった(p <. 001)。この結果は,2007年に自殺総合対策大綱が導入され,自殺とメンタルヘルスとの関係が強調されたことがひとつの要因と考えられた。
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© 2023 マクロ・カウンセリング研究会
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