マクロ・カウンセリング研究
Online ISSN : 2434-3226
Print ISSN : 1347-3638
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エンドオブライフに関する看護研究の近年の動向
前田 千佳いとう たけひこ
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2023 年 16 巻 p. 65-76

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抄録
本研究の目的はエンドオブライフ(End of Life以下,EOL)の日本の研究動向を明らかに することであった。医学中央雑誌Web版を用いて,EOLの文献題目を検索した。User Local によりテキストマイニング分析を行った。その結果,研究数は1427件であった。出現比率が高い単語は「ケア」や「看護」等であった。また疾患名には「がん」や「認知症」,慢性疾患を指す単語が多かった。看護技術に関連する単語で特徴的なものは「コミュニケーション」であった。2018年以降,出現比率が増加したのは「がん」であったが,「非がん」も含まれた。第一に, 2002年に初出したEOL研究が,その後盛んになってきていた。解説記事が多かった時代から後には実証的研究の原著論文が増加した。第二に,2018 年以降の特徴として,意思決定支援(advance care planning :ACP)をテーマとする研究が増加していた。第三に,がんに焦点を当てた研究が増加しつつ,非がんや慢性疾患を対象とした研究も少なくなかった。第四に,コミュニケーションや看護基礎教育に関連するEOL研究のテーマは今後の増加が期待される。
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© 2023 マクロ・カウンセリング研究会
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