哺乳類科学
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報告
銃器を用いたシカの捕獲への赤外線サーモグラフィーの適用
松浦 友紀子池田 敬東谷 宗光高橋 裕史伊吾田 宏正浦田 剛
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2017 年 57 巻 1 号 p. 77-83

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抄録

銃器を用いて森林内のニホンジカ(Cervus nippon,以下シカとする)を捕獲する場合,速やかにシカを発見することが重要となる.本報告では,捕獲の際にシカを効率的に発見する方法として,赤外線サーモグラフィーを適用した事例を報告する.周囲環境の温度が低い早朝に赤外線サーモグラフィーでシカを見ると,明らかに周囲より高い温度を示し,シカの検知が可能であった.赤外線サーモグラフィーを使用した場合は,使用しない場合に比べてシカの発見率が約4倍高かった.また,赤外線サーモグラフィーを使用した場合の方が1群れ当たりの発見頭数が大きい傾向があった.立木や枝葉等の遮蔽物の後方にいるシカでも,身体の一部が露出していれば検知が可能なため,群れ内のシカの見落とし率が低くなり,より正確な群れサイズの把握に役立つと考えられた.さらに,狙撃後に倒れた個体の発見にも役立つため,捕獲における回収作業の効率化にもつながるだろう.

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© 2017 日本哺乳類学会
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