マーケティングジャーナル
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特集論文 / 招待査読論文
パーソナライズ広告に対する消費者の知覚の多様性
竹内 亮介
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2020 年 40 巻 1 号 p. 43-55

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抄録

パーソナライズ広告は,個人情報の収集と活用を伴うがゆえに,消費者のニーズに関連した情報を提供する可能性だけでなく,彼らのプライバシーを侵害してしまう可能性もある。パーソナライズ広告を視聴する消費者は,(1)関連性をプライバシー侵害の懸念より高く知覚したり,(2)前者より後者を高く知覚したり,(3)両者を同程度に知覚したりするであろう。これら3種類のパターンの内の特定の1種類で消費者がパーソナライズ広告を知覚するのはいかなる状況においてであるかを識別することが,本研究の目的である。研究1においては,促進焦点傾向の消費者が,利得が生じる点(/損失が生じない点)を訴求するパーソナライズ広告を視聴する場合に第一(/第三)のパターンが生じること,および,私的事実に関して予防焦点傾向の消費者が,パーソナライズ広告を視聴する場合に第二のパターンが生じることを示す。また,広告主やウェブサイトの信頼が高い状況に着目する研究2~研究3においては,製品の消費に関して予防焦点傾向の消費者が,利得が生じる点(/損失が生じない点)を訴求するパーソナライズ広告を視聴する場合に第三(/第一)のパターンが生じることを示す。

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© 2020 The Author(s).
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